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【004:携帯電話】21:08 2007/09/14 気は急くばかりなのに、飛行機の速度は変わらない。 そのもどかしさに苛立ちながらも、私は日本へと戻っている。 フライトアテンダントのサービスは最高のはずなのに、それすらも鬱陶しい。 会って話をしたかった。 早く、助けてやりたかった。 気は揉むばかりなのに、飛行時間は変わらない。 あと4時間。まだ、日本には着かない。 どうして離れていたのだろうと悔やまれる。 それでもどうしようもなかったのだと自己弁護する自分が居る。 知っている。 どうしようもなかったのだと。 変えられぬ結末なのだと。 子供の見る夢物語ではないから。 自分にも彼にもどうしようもなかったのだと、知っている。 「Would you like some drink?」 「No,thank you.」 硬い声音だと己でも思ったが、そんな対応すら慣れているのかフライトアテンダントは笑顔で次のお客に声を掛けている。普段はプロだと感心するソレも、今このときは必要としなかった。ただただ、時間が惜しい。 電源を切った携帯電話は今は決して鳴ることはない。 だからこそもどかしく思ってしまうのは、ただの我儘だろうか。 早く。早く。少しでも早く。 「・・・・・・・・・成歩堂」 零れた言葉に泣きそうだった。 それほどまでに弱い己に腹が立った。 到着予定時刻まであと4時間。 己の気が狂わないことを祈るばかりだった。 ※3−5でも4設定でもお好きな方で。書き始めは4設定だったのが、やたら焦ってる御剣さんを見て、なんとなく3−5を思い出してたらこんな流れになってしまいました。デレっぷりを見る限りでは3設定が濃厚かしら。 |