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「秋か」 「秋だけど、どうかしたの?」 「栗の季節だな」 「栗・・・ああ、オマエ甘栗好きだっけ」 「ム、味は好きなのだが、イマイチ皮が上手く剥けんのが不満だ」 「いつも新聞にボロボロ落としてるもんな」 「アレさえ無ければ好物なのだが」 「甘栗の皮なんか簡単だよ。爪で簡単に割れるだろ?」 「・・・・・・なんだと?」 「だから、爪で割れ目作ってやればキレイに剥けるじゃないか」 「言葉では分からん。実践してみろ、成歩堂」 「っていうか何で持ってるんだ、甘栗」 「食べようと思ってたからな。買っておいたのだ」 「相変わらず僕の事務所で何やってるんだよ、オマエ」 「いいから早くやってみたまえ」 「はいはい。ええと、栗の真ん中くらいに爪を当てて割れ目作ったら、両側から少し力を込めて――」 「何ぃーーーーーッ。キレイに割れただとッ」 「だから言ったじゃんか。はい、コレあげる」 「む、ムウ。すまない」 「この方が渋皮も取れるから楽なんだよ。オマエもやってみれば?」 「うム。確かこのあたりを爪で―――ぬうううっ」 「あーあ、オマエ力入れすぎ。粉々だし」 「ま、まだだ。まだ終わらんよ。フンッ」 「あ」 「ぐぬうううッ。何故だ、何故キレイに出来ないのだッ」 「力みすぎなんじゃないの?」 「・・・・・・成歩堂、もう一回手本を見せてはくれないだろうか」 「いいよ、別に。ココに爪当てて、力を入れるとパカッと」 「・・・・・・・・・何故だ。同じようにやってるはずなのに何故私には出来んのだ」 「あー、そう落ち込むなよ。ほら、僕が割ってやるから貸して」 「むゥ」 「ほら口開けろよ」 「ム。―――ほのくらいふぇひひきになるなほ、なるほろう」 「・・・・・・ゴメン御剣。その表情、僕的にツボ」 ※バカップル再臨。御剣さんは握力が強そうです。そして力加減が出来なくて甘栗がいつも粉々に違いない。なるほど君が仕事して無いときは皮を割ってもらって、あーんとかやっていればいいな。たまにそういう素直な御剣さんが見れるといい。うう、ツボだ。 7:50 2007/10/21
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