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【手の平と熱2】


「だから、肩は揉まないから。手だけでいいからやらせろよ」
「むう、そこまで言うのなら致しかたあるまい。勝手にしろ」
「サンキュ。いやあ、最近真宵ちゃんが僕の肩とか手とか足とか勝手にマッサージ始めちゃうからさ。ちょっと覚えてきたんだよ」
「で、私は実験台か」
「人聞き悪いなあ。意外と癖になるって言うかキモチイイから御剣にもやってやろうかなって思っただけだろ」
「そうか。それでこの手はどうすれば良いのだ?」
「うん、ココをこう――ちょっと力抜いてくれると楽なんだけど、うん、そうそう。ゴメン、正面向いてくれないか。その方が楽だし」
「ウム」
「で、親指と小指を固定してっと」
「成歩堂」
「うん?」
「仕事はどうした」
「真宵ちゃんじゃないけど気分転換」
「真宵クンはどうしたのだ?」
「千尋さんの命日だから里に帰ってるよ」
「そう、だったか。キミは行かなくていいのか?」
「うん、いいんだ。先月行ってきたから」
「先月?」
「毎年そうだよ。8月に行くようにしてるんだ」
「何故だ」
「そりゃあ、まあ、何て言うか。………僕が初めて弁護士として法廷に立ったのが8月だから、かな。ソレが生前の千尋さんと一緒に弁護した最初で最後の事件になっちゃったし」
「ム、そうだったな」
「辛気臭くなっちゃったね。ゴメン」
「いや、私のほうこそ悪かった」

※何故か後半暴走してるのは勝手に喋りだしてるからです。手を揉みながら話してると思ってもらえれば幸いです。

5:42 2007/09/02

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