今日は御剣の車の助手席に乗っている。 まあ、ちょっとした用事のついでということなのだけど。 とはいえ、運転している御剣はカッコイイ。 「運転って楽しい?」 「まあな」 「僕もやっぱり運転――」 「遠慮させていただこう」 この前のことを根に持ってるらしい。うう、もう半年以上前のことじゃないか。 「キミは大人しく助手席でナビゲートでもしていたまえ」 「何だよ。オマエだけ運転してたら疲れると思ったから言ったのにさ」 「キミが運転しているのを見るほうが余程堪える」 「迷っただけだろ?」 「迷った上にガス欠まで起こして、挙句の果てに散々――」 「散々?」 「……何でもない」 急に黙り込んで運転に集中しだす。ううん、何かやったかなあ。あの時は確か。 あ。 「もしかしてあの時のせ――」 「言うな、阿呆」 眉間のシワが深くなる。いや、シワじゃない。ヒビだ、コレは。 「えー、だって珍しくオマエも」 「それ以上口に出すと車から突き出すぞ」 やりかねないな、ソレ。 ※【失踪――疾走】後話。のはず。いろいろ抜けてるけど。 22:37 2007/08/28
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