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【肩を揉む5】


「なーるーほーどー君ッ」
「うわっ。な、なんだよ真宵ちゃん」
「肩、揉んであげようか?」
「……暇なのか?」
「うーん、まだちょっと事務処理残ってるけどさ。何て言うのかな。気分転換?」
「あっそ」
「ほらほら、あたし結構肩揉み上手いんだよー。キミ子おば様の肩とか揉んでたし。里では『マッサージの鬼』って呼ばれてたんだからッ」
「それって褒められてるのか?」
「いいのいいの。じゃ、ちょっと手を止めててね。多分、震えて書けないから」
「どこから突っ込んでいいのかちょっと分からないけど。まあいいや、お願い」
「うわー、なるほど君。肩ガッチガチだよ。ありえないよ。こんなに凝っててよく生きてられるね」
「いやいやいや、肩こりで死ぬ人間なんか居ないだろ」
「いるよ」
「いるの!?」
「肩こりって言うか、全身凝り過ぎて血流の流れが悪くなった挙句、脳血管に血栓つまって死んじゃったっていうのとか」
「それって普通の脳梗塞だろ?」
「そうとも言うよね」
「それ以外に無いだろ……」
「うう、あたしの指圧じゃ足りないかなあ。全然ほぐれないよ」
「無理に揉まなくてもいいよ。別に肩凝ってる感覚ないし」
「ソレがいけないんだよッ」
「な、なんだよ」
「肩こりを笑う者は肩こりに泣くんだよ。なるほど君」
「ううん。言いえて妙だけど意味が違うだろ、ソレ」

※真宵ちゃんはきっと上手いに違いない。そして春美ちゃんも上手いに違いない。なるほど君が上手いのは真宵ちゃんに習ったからです。多分。

8:05 2007/08/31

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