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「なーるーほーどー君ッ」 「うわっ。な、なんだよ真宵ちゃん」 「肩、揉んであげようか?」 「……暇なのか?」 「うーん、まだちょっと事務処理残ってるけどさ。何て言うのかな。気分転換?」 「あっそ」 「ほらほら、あたし結構肩揉み上手いんだよー。キミ子おば様の肩とか揉んでたし。里では『マッサージの鬼』って呼ばれてたんだからッ」 「それって褒められてるのか?」 「いいのいいの。じゃ、ちょっと手を止めててね。多分、震えて書けないから」 「どこから突っ込んでいいのかちょっと分からないけど。まあいいや、お願い」 「うわー、なるほど君。肩ガッチガチだよ。ありえないよ。こんなに凝っててよく生きてられるね」 「いやいやいや、肩こりで死ぬ人間なんか居ないだろ」 「いるよ」 「いるの!?」 「肩こりって言うか、全身凝り過ぎて血流の流れが悪くなった挙句、脳血管に血栓つまって死んじゃったっていうのとか」 「それって普通の脳梗塞だろ?」 「そうとも言うよね」 「それ以外に無いだろ……」 「うう、あたしの指圧じゃ足りないかなあ。全然ほぐれないよ」 「無理に揉まなくてもいいよ。別に肩凝ってる感覚ないし」 「ソレがいけないんだよッ」 「な、なんだよ」 「肩こりを笑う者は肩こりに泣くんだよ。なるほど君」 「ううん。言いえて妙だけど意味が違うだろ、ソレ」 ※真宵ちゃんはきっと上手いに違いない。そして春美ちゃんも上手いに違いない。なるほど君が上手いのは真宵ちゃんに習ったからです。多分。 8:05 2007/08/31
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