夢に魘される。 夢に犯される。 闇から絡みつく手足は四肢を押さえ。 叫ぼうと開いた口には指が入り込み。 狂気としか思えない出来事を。 吐き気を催しながら抱え込む。 誰にも言えないのは何故か。 誰にも縋れないのは癖か。 夢は夢と割り切れぬ苦しみに。 底無しの沼に引きずり込まれる。 酷く荒れた呼吸に己でも驚きながら。 それよりまた寝れないことに苦痛を覚える。 もう何日になるのか。 眠れない日々が続いている。 夢が苛むのだと。 脳裏に染み付いて離れようとしない狂態。 思い出すだけで吐き気がする。 再び眠りにつけるわけもなく。 仕方なく布団を撥ね退けて起き上がる。 途端、せり上がる胃液。 口元を手で押さえ、トイレへと駆け込んだ。 胃から食道へと這い上がる異物。 喉を灼く胃液に眉を顰めながら、胃の中を空っぽにしていく。 ようやく吐くものがなくなった頃、屈めていた上体を起こし口をゆすぐ。 冷たい水が喉を潤していく。 バスルームのいくらか湿った壁に凭れかかり、ずるずると座り込む。 雫の滴る音だけが耳に残って気持ち良かった。 ひとつ溜息を吐くと残響で違う誰かの声に聞こえる。 そして。 そのまま力尽きるように湯船のふちに頭を擡げ、目を閉じた。 ※悪夢。トイレとバスルームが一緒のタイプで考えて書いてた模様。海外出張中かな。 9:51 2007/08/19
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