「あー、御剣。僕のアイス食ったろっ」 「キミのものだという証拠はあるのか?」 「うう、無いけどさ。でも、この家でオマエのじゃなけりゃ僕のものだろっ」 「知ったことか。今日は特段暑いからな。気でも利かせて私の分を買ってくれたのだろうと承知して食べただけだ」 「何だよその理屈は。ああもう良いよ。麦茶でも飲むから」 「私の分も頼む」 「ハイハイ―――御剣」 「ム、何だろうか」 「もしかして僕のプリン、食べた?」 「ふむ、ソレもキミのものだと言うつもりかね」 「どう考えたって僕のだよっ」 「証拠は?」 「うるさいなあ、無いよっ。そんなものっ」 「ではキミのものだと立証できるはずもない。そもそも不起訴処分対象だな」 「………酷え」 「何か言ったか」 「言わないよ。ああ、もうっ」 「苛つくのは脳が糖分を欲しているからだな。一口食べるか?」 「あーーーーッ、そ、そ、それーーーーッ」 「喧しい」 「プリン、残ってるなら言えよっ」 「コレは私の分だからな。逐一キミに報告せねばならない義務は無い」 「それは屁理屈だってば――あ、ちょ、ちょっと待て僕にもひとく」 「む、キミが変なことを言い出すからすっかり食べてしまったではないか」 「もしかしなくてもイジメだぞ、コレ」 「そんなに食べたかったのか?」 「もういいよ。後で買ってくるから」 「成歩堂」 「う、ンーーーーッ!?」 「うム、コレで一口だな」 「み、み、みみみみ御剣!?」 「何だ?」 「………もう一回しない?」 「一回だけで済むのか?」 「出来れば飽きるくらいやりたいんだけど」 「許さんと言ったらどうするつもりだ、弁護人」 「言われてもやるからね」 「ほほう、大した度胸だな。暴行罪で訴えるぞ」 「ならないよ」 「何故だ?」 「だって、キミは僕のものだろ」 「口だけで終わるつもりは無いだろうな」 「まさか」 「ならば証拠とやらを見せてもらおうか」 「つつしんで提出させていただきますとも、御剣検事」 ※なんだかバカップルの話。 10:51 2007/08/15
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