フッと目が覚めて辺りを見回すもまだ外は薄暗い。 時間を見れば早く起きすぎたと言うべき時間で二度寝さえ出来そうであった。再び横になる。目を閉じても眠気は訪れない。それどころか余計なことを思い出してますます寝られぬ事態に追いやられてしまう。 仕方ない、と布団を跳ね上げ、カーテンを開けた。 窓を開けると少し肌寒い。日中は突き刺さるほどの日差しを寄越す太陽は、まだビルの谷間に潜っている。緩い光が夜を目覚めさせている。確実に朝は近づいており、私は少し目を細めた。 ううん、と唸り声が背後から聞こえる。眩しかったのか、ふとんをすっぽりと頭から被っていた。そうだ、目覚めるには早すぎる。 昨日の行為で腰が鈍痛を訴えていたが、それは無視して曲がった背中を伸ばした。首を曲げるとパキパキと小気味良い音が響く。普段使わないような筋肉や関節を酷使しているから、妙に身体中がこそばゆい。肩が重く感じたので腕を回していると、ベッドの塊がもぞもぞと動いた。どうやら私を探しているようだ。伸ばされた腕が空を切る。 ベッドサイドに戻ると腕が背中に当たって、掴むように動いた。私は笑いながら布団を剥がし、オハヨウと声を掛ける。そっと額に口付けを落とすと、寝ていたはずの男の目が開く。 「おはよう」 まだ寝惚けてるのだろう。カクンと落ちて枕に突っ伏していた。ペチペチと頬を叩いてやれば、徐々に覚醒するだろう。 段々強まる暁光が部屋の中を照らしていく。もう朝だ。柔らかな風がゆるりと吹いて、明け方の部屋を抜けていった。 ※起きちゃったようで。ううん。 6:40 2007/08/10
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