僕らはどちらともなく口付けを交わす。 重ねるだけじゃなくて唇をぴったり合わせて舌まで絡めるような、そういうヤツ。 始めのうちは御剣が嫌がってたけど、いつの間に慣れてしまったのか逆に求められて応じることも多い。キモチイイ、というよりは互いに繋がってるなあとかそんなこと思えるから好きなんだけど。 「…ふっ……」 時折離して呼吸を整え、それからまた重ねるんだ。お互いの身体に回した腕は苦しくないよう緩めの力で。それでも固定して離れないように。 薄ら目を開けると、必死で目を閉じて感覚を追う御剣の顔がドアップである。もう少し離れるとモノスゴク良い表情なんだけど、そうすると唇が離れちゃうから諦める。少し角度を変えると息を継いだ御剣が、浅いけれど熱い吐息を僕にぶつける。うん、コレはもうそろそろ大丈夫かな。 僕はゆっくりと、だけど自然に唇を離した。絡んだ糸がつう、と垂れるのを舌で掬う。目元から首筋まで朱に染めて、うっとりとしている表情なんかそりゃもう堪らない訳で。 「ベッド行く?」 こくん、と小さく頷く姿は子供みたいでとても可愛い。ああもう抱きしめて離したくないなあ。いや、今から抱くんだけどさ。そういう意味じゃなくて単純にこの腕から離したくなくなってくる。普段はカッコイイくせにこんなときだけ可愛いなんて、ホント僕の恋人は愛しくてたまらない。 スッと立ち上がるとよろめいて縋るように僕に抱きついてきた。 「我慢できないんならココでやろうか?」 「ぬかせ、この阿呆」 口だけは減らないらしい。 僕は苦笑しながら片手に恋人を支えて、早々に寝室へ引き篭もることにした。 ※昼日中にそんな馬鹿話。 10:48 2007/08/05
|