「最初、狩魔検事を見たときは本当に驚いたよ」 「無敗の検事など信じられなかったのか?」 「いや、そうじゃなくて。なんていうか雰囲気というかプレッシャーというか」 「ふむ、厳しい人ではあるからな」 「っていうか、僕にだけなんか敵意がもの凄くてさ」 「私を負かした弁護士だからな。師匠としては仕方あるまい」 「『娘はやらんぞッ』的な睨まれ方だったんだけど、僕」 「ム、そんなことはないと思うが」 「絶対そうだって。溺愛されすぎだって、オマエ」 「父のような存在ではあったが。ふむ、それは気付かなかった」 「鈍すぎだよ、御剣」 「しかし何というか、ソレは矛盾しているような感じもするのだがな」 「何が?」 「キミの『娘は〜』のくだりだ。狩魔豪という人間が私に対してそんな殊勝な感情を持ってたと思えないのだが」 「あー。……気付かない方がいけないのか。言わない方が悪いのか僕にはなんとも言えないんだけど」 「私の言ってることは何かオカシイだろうか」 「うん、いい加減気付いてあげないと狩魔検事が可哀想になってくる」 「むう」 「御剣」 「何だ」 「オマエ、狩魔の家族の一員って言ったよな」 「まあ、概ねそのようなものだ」 「家族ってことはオマエ、狩魔の息子みたいなもんだよな」 「そうともいえるだろうな」 「狩魔検事に可愛がられてるって自覚は?」 「そうだったのか?」 「僕に聞くなよっ」 ※狩魔検事の『娘は〜』が書きたくて書きました。ゴメンなさい。 1:11 2007/06/19
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