最近自宅で朝ご飯食べてないなあ、と俺はしみじみ思うのだった。
朝も早く、7時ごろに俺は家を出る。
何もそんなに早く出なくても良いのだが、理由があるから仕方がない。
事務所に向かう前に郊外にあるマンションへ寄るのが日課となっている。
すっきりとしたエントランスにセキュリティシステム。俺は半ば反射的に番号を入力して、自動ドアを開けた。
まだ眠そうな管理人に、おはようございますと声を掛けながらエレベーターのボタンを押した。ドアが開くのを待って乗り込むと、目的の階のボタンを押して壁に凭れる。ひゅぅぅん、と静かな音で昇っていくのをぼんやりしながら見ていた。
がこん、と止まってドアが開く。今度は一番奥の部屋を目指すのだ。
ドアをひとつふたつと数えながら五つ目の前で立ち止まる。
インターホンを鳴らして待つこと3分。
「……あ、いつも悪いね」
「おはようございます」
寝起きモード全開の成歩堂さんに俺は挨拶をする。
そのまま部屋に上がりこみ、キッチンへと立つのだ。
後ろではみぬきちゃんを起こす声が聞こえてくる。
親子揃って寝汚いらしく、なかなか起きないらしい。
俺は鞄をソファに置いて、キッチンの椅子に掛かったエプロンを着ける。
「っていうか、何で俺が朝ご飯作ってるんだよ……」
成り行きとはかくも恐ろしいものだとつくづく思った。
※馬鹿話。そうそう、なるほど君とオドロキ君の普段の足は自転車です。
9:51 2007/06/17