囚われていたのは僕の方だ。 勝手なこと言って勝手に縛られていた。 君は何も言わないのにその視線だけで勘違いしてた。 ああどうしよう。どうしようもないけれど。 今更どんな言葉を吐けば許してもらえるかなど、謝りもしないうちから自ら追い込んで。 ますます離れていく。遠ざけてしまう。 気まずいままに僕は爪を噛みながら、指を弄りながら、絶望に浸る。 そして思いつめて、思い込んで。 君を虐げている、最悪な僕が居る。 君は問う。何故こんなことをするのかと。 僕は答える。いや、答えられない。 答えられないから君を傷つける。 僕自身に吐き気がする。 頼むから諦めた顔なんかしないでくれ。 痛みに震える腕を抱えてそのままで。 何も喋らないで。余計な言葉を紡がないで。 眠りにつくのはお姫様ばかりじゃない。 助けるのは王子様とは限らない。 だからいつだって傍に居れば、いつだって見ていられる。 そうすれば助けてあげられるから。どんな悪夢でも覚ましてあげるから。 痛みに喘ぐ声を殺して。 そのままで何も離さないで。余計な言葉も閉じ込めて。 誰にも言えない。何も言わなきゃ何もしないだろう。 君にも言えない。だから黙ったまま。怒るだろうけど見逃してくれよ。 理解できない言葉。把握できない行動。 そんなことばっかりでいつだって馬鹿みたいだ。 抱きしめれば解決するの? 口付ければ目が覚めるのか? 子供が語る大人の話。そんなの童話だけで十分だ。 子供に語られる大人の話。そんなの寓話だけで十分だ。 理解しがたい言動。把握しがたい欲望。 そんなの気付いてたってどうにも出来ないだろう。 君には答えられない。だから黙ったまま。気まずいだろうけど我慢してくれよ。 誰も言えない。だから黙るんだ。何も言わなきゃ何も動かないんだ。 夢だと言えば信じるのか? 好きだと言えば愛してくれるのか? ※成歩堂独白。ミタンをこんな感じで問い詰めたとしたら恐ろしいよね。 15:54 2007/06/09
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