「いや、言いたいことは分かるんだよ。分かってるんだよ、一応さ」 「じゃあさっさと覚悟決めてよ、なるほど君」 「そもそも覚悟とか度胸とかそういう問題じゃないだろ!?」 「そういう問題なのッ」 「ム、失礼する」 「あ、御剣」 「ミツルギ検事、ちょうど良かった。あのですね、ちょっとなるほど君を殴ってもらってもいいですか?」 「ちょっと待てよ、なんで僕が御剣に殴られなきゃいけないんだよ」 「別に殴らなくてもいいんだよ。とにかくなるほど君が気絶すればいいんだから」 「だから何でそういう話になるんだよッ」 「だってしょうがないじゃない。なるほど君が覚悟しないからいけないんだよッ」 「・・・・・・話が見えないのだが」 「僕に聞くなよ。僕だってよく分からないだから」 「ということだが、どういうことだろうか。真宵クン」 「ううん、何処から話したらいいんでしょうか?」 「ム、最初から頼む」 「ええと、とりあえず・・・・・・なるほど君が悪いんです。あたしと勝負して負けたのにうだうだ言い訳ばっかりして約束守らないから」 「そんなこと無いだろ」 「だったら話くらい聞いてくれたっていいじゃない」 「だからそれは――」 「成歩堂、喧しい」 「ぐッ」 「真宵クン、そもそも勝負とは何をしたのだろうか」 「腕相撲です」 「僕が言い出したんじゃないぞ、一応言っとくけど」 「でもなるほど君、負けたんだよね」 「成歩堂」 「何か言いたそうな顔してるのは分かるけど、僕に勝てるわけ無いだろ」 「あー、手加減とかしないって言ってたじゃない」 「大人気ない男だな」 「だって春美ちゃんだぞっ。手加減したら僕の腕が折れるんだから手加減出来る訳無いだろっ」 「真宵クン」 「何ですか、ミツルギ検事」 「その、何だろうか。その腕相撲、とやらは成歩堂が弱いのだろうか、それとも春美クンが強すぎるだけなのだろうか」 「なるほど君が弱いんですよ」 「嘘吐くなよ。真宵ちゃんは僕に勝てないじゃないか」 「あー、またそんなこと言うーッ」 「・・・・・・待ちたまえ二人とも。成歩堂、キサマ子供相手に負けたのか?」 「うるさいなあ、放っとけよ」 「負けたんだな?」 「・・・・・そもそも僕にそんな勝負押し付ける時点でいろいろ間違ってるだろ」 「なるほど君、負け惜しみ?」 「そんなわけないだろ」 「まあいい。それでそもそも約束とは一体何の事なのだ?」 「・・・・・・サージ」 「ム?」 「マッサージだよ、マッサージ」 「ミツルギ検事知ってました? なるほど君の背中ってガッチガチなんですよ」 「だからマッサージやらせろってしつこいんだよ、もう」 「ぬう、そうなのか?」 「そこまで凝っててあたしの厚意も受けないなんて間違ってるよ、なるほど君」 「真宵ちゃん、声音が変わってるよ」 「雰囲気も変わってるな」 「だーかーらー、つべこべ言わずに男ならビシッと行動で決めるッ」 「ムウ、それは正論だな」 「確かに正論かもしれないけどそもそも論点が間違ってることに気付けよ、御剣」
18:18 2007/12/09
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