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【馬鹿話・2】


「御剣ぃ、金貸してくれよぉ。今月マジピンチなんだってば」
「断る」
「そこを何とか。来週、トモコの誕生日なんだって」
「またか、貴様。だからろくでもない目に巻き込まれるのだ、馬鹿者」
「まあまあ、御剣落ち着けって」
「成歩堂ぉ。お前でもいいよ、貸してくれよぉ」
「嫌だ」
「お前ら、揃って苛めやがって。訴えてやるぞ、こらあ」
「ほほう、今の台詞本気だな」
「う」
「僕も訴えられる側なんだよね」
「うう」
「ここらでしっかり立場を教えんとな」
「そうだねえ、名誉毀損で賠償請求辺りが正当かな」
「それはいいな。私も協力しよう」
「くそおぉっ、お前らいい加減にしろよぉッ」
「何が?」
「どうした矢張、貴様から言い出したことだぞ」
「笑顔でそんなこと言ってんじゃねえよ。俺が悪かったよ、謝るよ、勘弁してくれよぉ」
「ってな感じだけど、どうしよっか御剣」
「ふむ、多少反省したようだな。まあ良しとしよう」
「成歩堂…御剣……」
「だが金は貸さんぞ」
「僕も」
「うおおぉ、そんな奴らだよお前ら。チクショー」
「……泣きながら走って行ったよ」
「まあ、いつものことだ。どうせすぐに金をせびりに来る」
「貸したことあんの?」
「一回だけな。それもまだ返してもらってない」
「うわあ、それ絶対忘れてるぞ。矢張のヤツ」
「忘れてようといまいといずれ返してもらわんとな。キッチリ取り立てるつもりだ」
「――ご愁傷様」
「ん、何か言ったか?」
「何でもないよ」

※ナチュラル・バカ。矢張の真髄は水戸黄門のうっかり八兵衛に近いものがあります。

13:47 2007/06/10

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