「そういえば御剣」 「何だ」 「お前の服、毎日同じ服のような気がするんだけど、それって一張羅?」 「同じようなデザインの服があるだけだ。毎日同じ服というわけではない」 「え、ソレって昨日と違う服なのか?」 「うム、よく見れば分かるがラペルが違う」 「微妙っ」 「忙しいときはろくろく家事も出来ないからな。仕方あるまい」 「え、クリーニングとか出してるんじゃないの?」 「スーツはクリーニングだが、シャツやタイは手洗いだ」 「お前、洗濯できたのか!?」 「……非常に馬鹿にされているような気がしないでもないが、まあよかろう。洗濯くらい出来て当たり前だろう」 「いやてっきりお手伝いさんとかそういう人が居るのかなーって」 「なんでそうなる」 「その首のヒラヒラとか」 「フリルタイと呼べ」 「それも自分でアイロンとか掛けてるのか?」 「掛けてたら可笑しいか」 「うん」 「ム」 「家事とか全部自分でやるの?」 「出来て当たり前と言ってるだろう。……まあ、私とて出来るようになったのは狩魔の家に入ってからだが」 「……イジメ?」 「アホか、貴様は。狩魔の家は完璧を持ってよしとする。たとえそれが家事であっても完璧でなければならないといった理念だったからな。相当鍛えられたぞ」 「家事ってそういうものだっけ」 「うム、そういうものだ」 「でも料理は僕より下手だよね」 「グッ」 「玉ねぎなんてろくに切れないもんね」 「……アレはまともに切れるほうがおかしいのだ。アレを平気な顔で切れる貴様の方がおかしいと私は思うぞ」 「そうかなあ」 「そうだとも。真宵クンにも聞いてみたまえ。私と同じ答えだと思うのだが」 「いや、真宵ちゃん料理ニガテだから」 「そうだったのか?」 「うん、御剣の料理の方がまだ食べられるだけマシかもしれないね」 「そこまで酷いのか?」 「少なくとも僕の中では真宵ちゃんに包丁を持たせるくらいなら、春美ちゃんにお願いする」 「うむむむむ」 「あー、ナルホド君。私の悪口言ってるでしょ〜。もう信じられない」 「あ、真宵ちゃん。居たの?」 「居たの、じゃないよ。声掛けても返事しなかったのナルホド君たちじゃない」 「ム、私もか」 「ミツルギ検事も、ですよ」 「ゴメンゴメン、ちょっと話し込んでてさ」 「どうせろくな話じゃないんでしょ。あたしが料理できないとか何とか」 「うーん、ソレはついでのような」 「言い訳しないっ」 「えーと、ゴメンなさい」 「私からも謝ろう。すまなかった、真宵クン」 「えへへ、よろしい。それでさっきから何の話してたの?」 「えっと御剣のヒラヒラについて」 「だからフリルタイと言ってるだろうッ」 「どっちでも良いじゃないか。フリフリのほうが良いか?」 「グッ……。ヒラヒラで構わん……」 「ミツルギ検事押されてますねー」 「ム」 「で、で。どういう話?」 「御剣、この服自分で手入れしてるんだって」 「えーッ。ミツルギ検事、洗濯できたんですか!」 「だろ?」 「……もう何も言わん」 ※私の中の御剣は不器用さん。家事に関しては掃除、整理整頓以外はほぼ全滅。というかなるほど君の方が上。なるほど君は料理は得意ですが、他の事は普通。整理整頓に関してはダメっぽいですが。 13:47 2007/06/10
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