【Q:question】8:58 2007/09/02 「成歩堂さん」 「何?」 「いえ、ひとつ聞きたいことがあるんです」 「うん、分かった。じゃ、そこのソファにでも座りなよ」 「はい」 「何か飲む?」 「あ、いえ。いりません。すぐに終わりますから」 「あっそ」 「ずっと疑問だったんです。あの事件」 「どの事件かな?」 「オレの、最初の。牙琉先生が捕まった、あの事件です」 「ああ、アレね。で、何が疑問なの?」 「あの時は納得してたんですけど、やっぱりあのトランプです。あれは、ニセモノだったんですか?」 「偽造、ってことが気になるのかい?」 「当たり前ですッ」 「心配しなくてもアレは本物だよ。そう言っただろ?」 「でも――あんまりに都合が良すぎないですか?」 「あんまり考えすぎると思考の暗礁に乗り上げちゃうよ」 「え、ああ、はい。そうですね」 「簡単に考えればいいんだ。要するにトランプが一枚だけだったのかってね」 「え?」 「血のついたトランプが一枚だけだったと思うかい?」 「あ――あああっ、そ、そういうことですか!?」 「うん、そういうこと。簡単だろ」 「あ、いえ。すみません。急にこんなこと言い出しちゃって」 「あはは、仕方ないよ。7年前の事件を考えればね」 「どうもすみませんでした。じゃ、ちょっとオレ出かけてきます。今日こそは依頼取ってきますからね」 「うん、期待してるよ。頑張ってね」 「ハイッ、大丈夫ですッ」 「―――やれやれ。アレで納得するとは思わなかったな。ま、突っ込まれても困るんだけどさ」 ※ということで真相は闇の中。闇鍋の中でぐつぐつ煮え立っております。 |