|
【G:guardian】12:02 2007/09/02 「成歩堂」 「何?」 「キミに聞いてみたかったことがあるのだが」 「うん、何、何の話?」 「浦伏――奈々伏氏の件なのだが」 「ああ、アレか。アレがどうかした?」 「キミが彼のロケットを取った意味が分からなかったのだが、私なりに考えてみたのだよ」 「気まぐれだよ」 「キミたちはあの時、もしかしてみぬきクンを賭けていたのではないか?」 「――子供を賭けの対称にするわけ無いだろ」 「そうでなければ、彼がキミに対して殺意を持つわけがないのだ」 「そう……聞かせてよ」 「恐らく彼のほうからみぬきクンを返してほしいと言ったのだろう。それに対してキミはポーカーを持ち出した。勝った方がみぬきクンを引き取る。彼は実の父親だが、法的な父親はキミだ。勝っても負けても文句は言わない。そういう条件でキミは引き受けた。そうではないのか?」 「続けて」 「ム。そこでボルシチでポーカーだ。勝負は付いた。裁判でも言っていたが、キミが勝った。だが、奈々伏氏としてはイカサマまで使って取り戻そうとした娘だ。そう簡単に割り切れるものではない。思わずカッとなってボトルを振り上げたのだろう。違うならば否定してくれ」 「まだ話は途中だよ、御剣」 「結局、牙琉が絡んで奈々伏氏は死亡。しかし勝負としてはキミの勝ちだった。彼の身元を隠すためでもあったのだろうが――それでもキミは彼女の父親の死を曖昧にさせたかったのではないか。あのロケットは或真敷一座に居た時から着用してたものだと私は見ている。そうすると―――やはり憶測に過ぎないが、みぬきクンは気付いてるぞ」 「あはははは」 「笑い事ではないぞ、成歩堂」 「……うん、分かってるよ。分かってるさ」 「成歩堂?」 「やっぱりオマエに隠し事は出来ないね。まさかそこまで気付かれてるとは思わなかったよ」 「キミの考えそうなことを並び立てただけだ。大したことではない」 「みぬき、怒ってるかな」 「彼女は利口だ。全てを知って、それでもキミの傍に居てくれてるのだろう?」 「………うん」 「ならば許されてるということだ。父親として認めてくれてるのだと胸を張れ」 「オマエは、許してくれるのか?」 「許す許さないではない。決して褒められることではないが、そういう嘘も時には必要だろう」 「そうだね」 「私にまで隠すことはないのだよ。一緒に背負う覚悟くらいは出来ているのだから」 「うん、ありがとう。御剣」 「たまには弱音も吐きたまえ。みぬきクンが心配していたぞ」 「あはは、そうかもね。うん、本当にありがとう……二人とも」 ※4のロケット話。ずっと気になってたんだけど、そういうことなら浦伏さんが殴りかかった理由も少しだけ理解できるような気がしたんです、ハイ。 |