【048:インターバル】22:22 2007/11/07
ふと隣を見ると御剣が居眠りをしていた。
珍しいこともあるもんだな、と思いながら僕は御剣の肩をそっと叩く。
「御剣」
「ム」
仕事でもないのに二人ともスーツなのは法曹関係の講演に来てるからで。周囲を見渡せば女性も含め、皆スーツを着ている。当然、壇上に上がったお偉いさんもスーツを着て、何やら小難しい話を繰り返していた。
「あと5分で休憩らしいから」
もう少し我慢しろよ、と僕は目配せをする。御剣は心得たとばかりに背を伸ばして、椅子に座りなおした。
「でもオマエが居眠りなんて珍しいよな」
「ムウ、気付いたら寝ていたのだ」
「仕事、忙しいの?」
「ソレもある」
自販機のコーナーで僕はコーヒー呑みながら御剣と談笑していた。目の前の親友はミルクティらしい。マズいと言いながらも呑んでいるのはいつものことだ。
「実はこの講演の準備をさせられてな」
昨日は寝てないのだ、と御剣が小さく笑った。
「あれ、今日の講演って確か弁護士協会側の主催だろ?」
「検察庁も協賛として参加しているのをキミは知らなかったのか?」
「ああそっか。そういえばパンフレットの片隅に書いてたかも」
パンフレットを開くと確かに『検察庁』と入っている。
「オマエも色々雑用押し付けられて大変だよね」
「全くだ」
溜息を吐きながら、御剣が缶をダストボックスに入れた。
カラン、と乾いた音を機に僕も立ち上がり、短い休憩に終わりを告げた。
※ホントは講演途中にイチャイチャやってるところを書こうと思ったんですがね。書けませなんだ。某会議のヤナギサワさんとウマキさんがモデル。なんだかコソコソ話しながら、小突きあったりしてるんですよ。居眠りしてるウマキさんの顔覗き込んで太もも揺すってたり。後ろから見たらイチャついてるようにしか見えません。という場面を入れたかったのだけどね。