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※ちょっとしたお話

【093:ステップ】23:31 2007/06/22

「成歩堂」
「ん、なに、御剣」
「腹が減った」
「ああ、そういえばそんな時間か」
僕はふわあ、と欠伸をする。
伸びをするとパキパキ関節が鳴った。
「お昼、何にする? 今日は僕が作るけど」
「うどん」
「は?」
「うどんが食べたい。無論、手打ちうどんだ」
淡々と続ける恋人は何事もなかったように文庫本に読みふけっている。
「ええと、それは僕に作れと?」
「当たり前だ」
「疲れるんですけど」
「知っている」
「手伝って」
「断る」
「じゃあ作らない」
「ム、それは困るな」
「一緒に作れば少しは早くなるんだけど」
「しかし、私は作ったことがないのだが」
「あのなあ、僕だって久しぶりだよ。だから、手伝って」
「どうすれば良いのだ?」
「とりあえず強力粉はあるはずだからそれで麺を作るとして。あ、出汁取っといて。カツオと昆布どっちにする?」
「合わせでよかろう」
「オーケー。じゃあ、それで」
「しかし付け合わせが無いと物足りんな」
「天ぷらうどんにしよっか。きつねうどんでもいいけどさ」
「そうだな。冷凍庫に小エビがあったな。それでかき揚げを作っておく」
「僕が麺を打つから御剣は出汁とかき揚げ。じゃ、そんなとこかな」
「うム」
僕らは立ち上がって、キッチンへと向かうのだった。

※うどんが食べたい。夜食の醍醐味。手作りなら基本足踏み。