「成歩堂、私のベッドから退いてくれないだろうか」
「えー、面倒くさいー」
「このままでは私が寝れないと言っている」
「じゃあ一緒に寝ようよー」
「セミダブルとはいえ、大の大人が二人寝るには狭すぎるだろう？」
「んー、そうかなあ」
「考えなくても一目瞭然だ。……仕方あるまい、私はソファで寝ることにしよう」
「ソファじゃ疲れ取れないよ」
「キミがそこから退いてくれれば全てが解決するんだが」
「御剣ー、退くからさ。起こしてくれない？　力が入らないんだよ」
「釈然としないが、仕方あるまい。どれ」
「うりゃ」
「何をするッ」
「へっへー、ほら十分寝れるスペースあるじゃないか」
「暑苦しい。離れたまえ」
「やだ、今日は御剣と寝るの」
「可愛く言っても無駄だぞ」
「じゃあ……僕と一緒に寝ろよ、御剣」
「――ッ。その顔は卑怯だぞ、成歩堂」

※我儘なるほど君。ヘラヘラした人が急に真面目な顔になるとドキドキします