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※ちょっとしたお話

【085:カーテン】1:01 2007/07/10

日付を超えて帰ったときには既に御剣は寝ているようで、穏やかな寝息が聞こえた。疲れているのだろう。普段なら物音がすれば目を覚ますような男だったが、今日は身動ぎひとつしない。それでも僕は、そっと鞄を置いて着替えることにする。
暗闇に目が慣れて、ぼんやりと街灯だけで見える室内はひどく閑散としていた。お互い忙しくてなかなか帰って来れないから、散らかす暇もない。特に御剣は海外へ行く機会も多いから、自然と物を少なくする習慣が付いている。だからそこらに散らばるモノは大概僕の私物だったりする。片付けなきゃと思いながらも時間が無くてそのままになっていて、たまに顔を顰めた御剣が僕の部屋に投げ込んでるのを見かけると少し罪悪感を感じたりした。
僕は汗だくのシャツを脱いで、カゴに放り込む。とりあえず汗を流そう。
着替えを適当に引っ張り出して、浴室へ飛び込んだ。

シャワーを浴びて、ベタベタするのが取れたせいか、幾分涼しく思える。
少し大きめのTシャツと短パン姿のまま、寝室へと向かう。
夕食は何も食べてなかったが、今更食べる気力もない。
ふらふらと歩きながらベッドへと近づく。
ヒラヒラとカーテンが揺れて、街灯がちらちらと覗く。
暑苦しいのだろう。窓が少し開いて風が入ってきた。
風呂上りののぼせた身体には丁度いい。
疲れたなあ、と思いながら半分つんのめるように枕へ顔を突っ込んだ。
急激に意識がまどろんでいく。明日も仕事だ。今日の依頼の面会に行かなきゃ。あ、そういえば事務所の経費もそろそろ計算しなきゃマズい。真宵ちゃんばっかりに押し付けてるわけにもいかない。ああ……もう、どうでもいいや………
降りてくる瞼に抵抗できず、僕は眠りについた。

※眠いです。