【078:エンジン】23:41 2007/06/21
「おデコ君、キミはなかなかイイ自転車に乗ってるね。MTBかい?」
「えーと、そうですね。色が気に入ったので買ったんですけど」
「赤に黒と黄色ね。クールなデザインだ。ボクも好きだな」
「乗ってみます?」
「――おデコ君、キミは今言ってはならないことを言ってしまったね」
「はい?」
「ボクに自転車を勧めるだなんてキミもなかなか大胆だよね」
「ちょ、ちょっと話についていけないんですけど。牙琉検事」
「ああ、すまない。少し取り乱してしまったよ」
「はあ。それで一体どうしたんですか、急に」
「おデコ君、キミは口が固いかな?」
「え、ああまあ人並みに」
「コレはアニキ以外誰にも知らないことなんだけどね。勿論、検事局の人間が知ってるわけもないし、ガリューウェーブのメンバーにも言ってないよ」
「焦らさないでくださいよ」
「……乗れないんだよ」
「は?」
「ボク、自転車に乗れないんだよ」
「………え?」
「イジメかい、おデコ君」
「いえいえいえいえいえ。いや、あの牙琉検事、その話、ホントですか?」
「ボクがキミに嘘を吐くとでも?」
「いや、その信じられない話だったもので」
「笑いたければ笑ってもいいよ。ボクは自転車にも乗れない哀れなギタリストさ」
「その前にアンタ検事でしょうが」
「というわけだから、ボクの目にはキミが信じられない生き物のように見えるわけだよ。その自転車と一緒で」
「それよりバイクを乗り回してるくせに自転車に乗れない方が不思議ですよ、牙琉検事」
※自転車ネタ第二弾。ちょいネタ集から引き伸ばし。意外とスラスラ書ける牙流さんとオドロキ君。アレだ、オドロキ君対策はバッチリの模様。