【077:スケジュール】22:41 2007/07/03
「もしもし、御剣?」
「ああ、私だ」
「今、電話大丈夫?」
「自宅だから心配ない。どうした、何かあったのか?」
「ううん、何でもないんだけどさ。ただ御剣の声が聞きたかっただけだよ」
「そうか。私もキミの声が聞きたかった」
「御剣」
「何だ?」
「やっぱり電話しなければ良かったよ。……キミに逢いたくなってきた」
「無茶言うな。どう急いでも半日以上掛かるぞ」
「分かってる。だから電話にしたんだ。でも、声聞いちゃうとさ」
「成歩堂」
「うん?」
「今週末は空いてるか?」
「あ、ええと、ちょっと待って。今週末は、っと。うん、特に何もないよ」
「じゃあ用意しておけ。久しぶりに日本に帰る」
「え、戻ってくるの?」
「ああ、丁度一段落ついたところだからな。仕事の引継も兼ねて、一度戻ることにした」
「あ、そうなんだ。そっかそっか、戻ってくるんだ」
「あまり喜んでる様子がないな」
「そんなことないよ。すっごく嬉しい。どのくらい滞在するとか予定は決まってる?」
「とりあえず一週間くらいは休暇も兼ねて居る予定だ」
「じゃあさ、その間僕も休みを取るよ」
「キミは仕事だろう? 真宵クンたちはどうするのだ」
「真宵ちゃんは実家関係で忙しいから来週来ないんだよ。依頼も特に無いしさ。それに」
「それに?」
「御剣の顔見たら、仕事なんて忘れちゃうよ」
「馬鹿なことを言うな。しかし、まあ分からんでもないがな」
「え?」
「私だって人間だぞ。恋人を放って他のことを出来るほど器用ではない」
「――凄いこと言ってるって自覚ある?」
「ウム、言いながら自覚した」
「間違ってるよ……でもアリガトウ。じゃ、来週逢おうね。おやすみ」
「ああ、良い夢を」
※浮かれてヘヘイ、ヘイ。実家に電話する私の台詞そのまんま。うう、会いたい