【062:ソファ】7:01 2007/07/11
御剣が本を読んでいる。
そっと近づいて背中越しに凭れた。
ピクリ、と少し動く気配がしたが、黙ったままそのままの姿勢で動かない。
更に凭れて、御剣の肩に頭を乗せた。
天井を仰いで、ぼんやりとする。
ページを捲る音と互いの呼吸音だけが室内に残る。
一定のリズムで捲られるページは徐々に眠気を誘う。
瞼を半分閉じかけて、心地よい眠りに入る直前。
パタン、と本を閉じる音がした。
どうやら読み終えたようだ。
気にせずそのまま睡んでいると、不意に支えが無くなった。
背中と後頭部をフローリングにぶつけるかと思ったが、代わりに何か弾力のある感触が触れた。
「私はソファではないぞ」
見上げると御剣の顔がある。
どうやら振り向いただけらしい。頭に当たっているのは彼の脚のようだった。
「枕でも僕は構わないんだけど」
「ぬかせ」
苦笑する御剣につられて、僕も笑った。
※人の背中に凭れるのが好きー
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