【029:スケープゴート】23:26 2007/07/06
「うう、なるほど君。コレ難しくて解けないよ」
「何やってるんだよ、真宵ちゃん。あれ、このゲームって確か」
「うん、ヤッパリさんから送られてきたヤツ」
「肖像権侵害で訴えてやりたいアレな」
「一応、アドベンチャーミステリーらしいんだけど。謎解きが難しくって全然解けないんだよね」
「へえ、中身はちゃんとしてたんだね。で、どのへんが解けないの?」
「うーん、このオープニングの展開が」
「一番初めかよッ。っていうか、ゲーム始まってないじゃないか」
「それでね、この赤い人なんだけどさ」
「ああ、御剣な」
「イキナリ『往生際が悪いな。犯人はキサマだ。既に逮捕状も取ってある。大人しく連行されたまえ』って言って犯人捕まえちゃうんだよ。しかも何故かスタッフロールが流れてさ。エンディングになっちゃうんだよ。不思議だよね」
「何とも言いがたいけど、まあ斬新だよね」
「で、スタート画面なんだけど『おまけ』とか『エピローグ』とかそんなのばっかりなんだよ。『はじめる』とか『つづき』が無いんだけど、どうしたらいいのかなあ」
「僕に聞くなよ。っていうか、その『おまけ』って何なんだ?」
「さっきやってみたら今度こそなるほど君モドキがインベーダーゲームみたいに大量に蠢いてるヤツだったよ」
「僕は宇宙人と同格か……」
「で、クリアしたらやたら御剣検事の写真画像が出てきたんだけど。どう見ても盗撮ッぽいやつ」
「犯罪じゃないか」
「あ、なるほど君も入ってた――って、エエーーーッ」
「何だよ」
「こ、コレってなるほど君だよね。そうだよね、コレがミツルギ検事で」
「――――ちょ、ちょっと待てぇぇぇ。こ、この画像はッ」
「……ええと、ちょっとミツルギ検事に電話してみるね」
「ヤバイって真宵ちゃん。アイツが知ったら今度こそ矢張のやつ、死ヌぞ」
「そうだと思うんだけどさあ。でも知ってて教えなかったら共犯になっちゃうかもよ」
「そ、そうだよなあ。うう、どうしよ――」
「成歩堂ぉぉぉッッ」
「み」
「ミツルギ検事っ!?」
「キサマどういうことだ、説明しろッ」
「ああ、そのパッケージはもしかしてッ」
「知っているということはキサマが原因か。細かい点までキッチリと説明してもらおうか」
「待て待て待て、待てって御剣ッ。コレは矢張から勝手に送られてきて――」
「この期に及んで言い訳か。見苦しいぞ、弁護人」
「人の話を聞けよ、御剣っ」
「ミツルギ検事、あの、コレは」
「ム、真宵クンか。このバカが白状するまでは邪魔しないで戴きたい」
「だからっ」
「この写真ってホントなんですか? あの、なるほど君とミツルギ検事が――」
「わー、真宵ちゃん。それ以上言うなぁぁぁ」
「ほう、こんな写真まで出回ってるとはな。ますますキサマを締め上げる必要性が出てきたようだ」
「だから待てって言ってる――うぐぐっ、首を絞めるなああッ」
※ということで、スケープゴート成歩堂。
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