【022:ガラス】6:11 2007/07/11 「ああーッ……やっちゃったよ」 「うう、ゴメン。なるほど君」 「まあいいよ。怪我とかない?」 「うん、大丈夫――かな?」 「じゃあ大きい破片だけ集めといて。僕、掃除機持ってくるから」 「ホントにゴメンね、なるほど君」 「良いって。あ、後ろ気をつけて。結構散らばってるから」 「うわ、気づかなかったよ」 「だと思ったよ。あ、破片はゴミ箱に適当に入れといて」 「なるほどくーん」 「んー、どうしたの真宵ちゃん?」 「あのさ、ゴミ箱いっぱいなんだけどどうしよう?」 「じゃ、いいや。僕が集めるから、動かないで」 「ジッとしてるのも結構辛いねー」 「仕方ないよ。下手に動いて怪我するのもイヤだろ?」 「そりゃそうなんだけどさ」 「しっかし、派手に散らばっちゃったな。……痛ッ」 「なるほど君?」 「……真宵ちゃん、机の上にも散らばってるぞ。どうやって割ったんだよ」 「ええとね、こう、何ていうのかな。なるほど君にアイスコーヒー運んでたら、そこの段差でつまづいちゃって。コップがアクロバティックに回転してるのなんか初めて見たよっ」 「で、中身は?」 「うーん。―――あ」 「スゴク嫌な予感がするんだけど、何?」 「あ、あはははは」 「笑って誤魔化すなよ」 「な、なるほど君のスーツに掛かっちゃった、かな?」 「え、スーツって――ああああああッ」 「多分、だけどさ」 「多分じゃないよ。明らかだよ。うわあ、今から面会なのにぃぃぃ」 「うう、ゴメンなさい」 ※うっかり真宵ちゃん。 |