【017:ピンセット】16:15 2007/06/30 「何コレ?」 「ううん、証拠品かなあ」 「でもさ、なるほど君。こんなのどうやって提示するの?」 「触るのヤダなあ。真宵ちゃんピンセットとかそういうの持ってる?」 「うーん、ちょっとそういうのは持ってないねー」 「困ったね」 「何をさっきから唸ってるっスか?」 「あ、イトノコさん。ピンセットって持ってないですか?」 「まあ、鑑識の連中に言えば貸してもらえると思えるッスけど。アンタ何見つけたんスか?」 「あー、何と言うかコレなんですけど」 「……鑑識の連中も嫌がると思うッス」 「でも事件に関係ないとは言えませんし。特に今回の場合は重要な手がかりになりそうじゃありませんか?」 「頼み込んでみるッス。あんまりアテにはしないことッス」 「すみません、お願いします」 「……うう、あたしコレ見たの初めてだよ。気持ち悪いね、案外」 「僕だって気持ち悪いよ。他人のだし」 「見つけなければ良かったね」 「ホントにね」 「キミ達は何を見つけたと言うのだ」 「み、み、み、御剣ッ」 「な、な、何でもないですッ」 「糸鋸刑事から事情を聞いた。重要な証拠を見つけたそうだな」 「重要かどうかは分からないけどさ。正直、僕はもう見たくもないよ」 「あ、あたしちょっとあっちの方探してくるね」 「何を見つけたのだ?」 「あー、僕の口から言いたくないよな。とりあえず見れば分かるから、ソコ」 「――ム」 「あんまり言いたくないキモチ分かるだろ?」 「残留品か。DNA鑑定も使えるな。鑑識を呼んでこよう」 「よくマジマジと見れるよなあ。ソレって慣れ?」 「慣れだな。キミこそ男のクセにこういうものは苦手か?」 「だって、ソレ血がついてるし。他人のは生々しすぎてダメだろ、普通」 「そうか、意外だな。キミはこういうものの取扱には慣れていると思ったが」 「オマエ、僕のことをどう思ってるんだ?」 ※発見したのはコ○ドーム。事件は婦女暴行殺人。生々しいよな。というかそんなところに真宵ちゃん連れて来るな |