|
【002:プロフェッショナル】8:17 2007/06/27 「キサマ、何のつもりだッ」 「おうよ、オレ様プロだからな」 成歩堂法律事務所は今日も今日とて騒がしい。大半の理由として矢張という男の存在だと真宵ちゃんはぼやく。僕としても似たような意見だから何も言わない。というか、その男に真っ向から立ち向かう御剣の方がどうかしてる。どうせ話半分にしか話さないような男の言い分に付き合って何が楽しいのだろう。 「何だか会話が成り立ってないね、ミツルギ検事」 「まあいつものことだよ、真宵ちゃん」 僕らはげんなりと応接間を陣取る二人を見ている。 会話の中心はつまり、何と言うか、矢張が持ってきたその本に尽きる。 「って言うか、ホントに描いてたんだねヤッパリさん」 「僕は正直信じたくなかったよ」 矢張がニコニコと笑いながら事務所にやってきたのは勿論その本のことについてだった。どうやら絵本第二弾の企画が決まったようだ。 良かったな、と僕は言った。真宵ちゃんが、とうとうプロですね、と言いながらお茶を出した。とっくにプロよオレ様、と矢張はふんぞり返って笑っている。 たまたま事務所に来ていた御剣も笑っていたが、ソレを見て固まった。 固まって、少し落ち着いたのか笑い出す。あまりの珍しさに僕と真宵ちゃんは何事かと手を止めた。 「前がメイちゃんだったからよ、今回はオマエにしたぜ御剣ぃ」 ぐっ、と親指を立てた矢張はそれはもう笑顔だった。
「矢張、キサマ覚悟は出来てるんだろうな」 ※矢張第二弾の絵本はミツルギが主役。デフォルメが気に入らない様子 |